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漆喰と珪藻土
ある雑誌では「漆喰がいい」…
とあるサイトでは「珪藻土の方が良い」…
家を建てる前に色々な情報収集をしている中で、塗り壁の中でも漆喰、珪藻土については多くの論争が繰り広げられています。
『漆喰』については、なごみの工房のブログで何度かアップしていますので、
今回は主に、珪藻土について徹底解説!
珪藻土についてよく理解していきましょう。
まずは双方のウィキペディアより
【珪藻土(けいそうど)】
(diatomite、diatomaceous earth)
藻類の一種である珪藻の殻の化石よりなる堆積物(堆積岩)である。
ダイアトマイトともいう。珪藻の殻は二酸化ケイ素(SiO2)でできており、珪藻土もこれを主成分とする。
珪藻が海や湖沼などで大量に増殖し死滅すると、その死骸は水底に沈殿する。
死骸の中の有機物の部分は徐々に分解されていき、最終的には二酸化ケイ素を主成分とする殻のみが残る。このようにしてできた珪藻の化石からなる岩石が珪藻土である。多くの場合、白亜紀以降の地層から産出される。
【漆喰(しっくい)】
瓦や石材の接着や目地の充填、壁の上塗りなどに使われる、水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とした建材である。
と、こういう情報が出てきますが、
これよりもさらにディープな建材としての珪藻土についてより詳しく(^^)↓↓↓
■珪藻土の概要
1993年大阪ガスが開発し調湿性を売りにどんどん市場が拡大し、
自然素材住宅=珪藻土となり自然素材住宅の代名詞的存在となる。
いわゆる珪藻土ブームともいえる中、当初代表的な存在は㈱サメジマコーポレーションが販売している「リターナルパウダー」や日本ケイソウ土建材㈱の「エコ・クイーン」などが当時ブームを牽引していました。
珪藻土は施工がとても簡単でした。
クロスの上からも塗れて、手間のかかる下地処理も必要としない。
また、ざらざらとした土の質感は、今までの左官はまっ平らに塗るものという概念ではなく、素材感がいきる塗り方が良い!という新たな概念を左官業界に持ち込みました。
左官屋さんからすると漆喰を施工するには修行期間や材料を作るノウハウが必要でしたが、珪藻土はただ水を混ぜて塗るだけ!下地もあまり選ばないのでどんな職人でも施工ができた。ということも珪藻土が全国的に拡大した一つの要因と言えます。
■珪藻土ブーム
高い調湿性や施工性によって珪藻土ブームが到来しました。
ブームと言われるのは、㈱サメジマコーポレーションの成功に続き簡単に作れるため、色々な珪藻土商品が乱立し、多いときは100種類以上の珪藻土が存在していました。値段も中身もピンキリといった感じで高いから良いというわけではないことも多々ありました。
■そんな珪藻土のメリット、デメリットは?
珪藻土のメリット
□下地を選ばず施工性が高い、DIYでも可能
□メンテナンスも自分でできる
□高い調湿性を持っている、ジメジメしない
□脱臭効果もある
□耐火性がある
□ざらざらとした質感がおしゃれ
□高気密高断熱住宅では珪藻土の効果がよく発揮される
珪藻土のデメリット
□表面がざらざらしており、表面がボロボロ落ちる
□バインダーによっては効果がなくなる
□吸水性がある、吸水によりカビが発生する可能性もある
□弱酸性でカビには弱い
□気密や断熱性能が低い建物ではカビる可能性がある
□別荘などあまり使わない建物ではカビる可能性がある
デメリットについては後程 解説しますが、珪藻土は「調湿」の一転突破でどんどん広がりを見せていきました。
■ブームから一転、珪藻土の疑惑
自然素材住宅=珪藻土というような構図が業界にカテゴリーとして確固たる地位ができ始めたころ、珪藻土に2つに疑惑が生まれます。
それは、発がん性と成分
【1発がん性】
珪藻土の成分中に発がん性物質に当たる結晶シリカが入っている。ということ。
こういった情報から海外では販売禁止になっているなど様々な情報がと飛び交いました。
確かに結晶シリカはWHO(世界保健機関)の発がん性物質のカテゴリーへ入っていますが、そのカテゴリーにはアルコールやたばこの煙なども含まれており、危険性としては珪藻土の粉が舞う空間で粉を吸いまくったらダメですよ。という程度のもの。
さらに調べると実は日本で一番珪藻土を使う会社はビール会社であり、ビールを造る過程で、ビール酵母と後発酵中につくられる混濁物質を取り除く、ろ過作業に珪藻土は使われています。珪藻土自体が問題ならばビールを飲むのも問題となります。また珪藻土は七輪にも使われますので珪藻土に問題があれば七輪での調理も問題となります。
海外の珪藻土発売禁止については、確かに欧州やアメリカの一部の州ではWHOに準ずる形で発売禁止になっているようです。
しかし元々「土」を仕上げとして塗る文化がない国が多いため、そもそも文化的に馴染みがなく広がらなかったとも言えます。
ですので、珪藻土を塗ったからと言ってガンになるなんてことはないというのが結論と言えます。
【2成分】
発がん性よりもむしろ成分の方が私たちは問題かなと思います。
珪藻土には自分で固まる力がないため、固めるための「バインダー」といわれる繋ぎが必要となります。
多くの珪藻土は施工性を高めクレーム防止とコストダウンを目的に「合成樹脂」を接着材として入れていました。
合成樹脂を入れてしまうと、調湿性が失われたり、例えば水と一緒にカビ菌を珪藻土が吸水してしまった場合、カビ菌のエサがあるので繁殖していきます。
つまりは、珪藻土でも合成樹脂を使ってしまうと台無しになってしまいます。
珪藻土に使う自然のバインダーは漆喰。
昨今ではだんだん珪藻土と漆喰の違いが曖昧になってきています。
珪藻土のデメリット「固まらない」や「カビに弱い」という点を払拭するために漆喰の成分である「消石灰」を混ぜ、高い調湿性を保ちながら、固まる能力とカビに対する能力を上げたハイブリット珪藻土。
こういう商品ならば、まだ安心して使えると言えます。
と、ここまで珪藻土について解説してきましたが、
私たちの考え方は「そもそもそこまでして珪藻土にする必要はある?」
ということです。
色々なメーカーが研究開発してきた珪藻土です。
発がん性物質疑惑の際は様々なメーカーが必死になりイメージの払拭を行い研究し、さらに品質を向上させてきました。
でもですね…
元をたどれば珪藻土はビールなどの「ろ過材」。
1993年に誕生と歴史も浅い。
そもそも「ろ過材」である珪藻土を建築の壁材へ研究開発する必要があったのか?
ということなのです。
発がん性!?海外では!?
「固まらない」→「ならば樹脂だ!」→「樹脂は性能落ちる」→「ならば消石灰だ!」
というのがわずか数十年で様々な移り変わりがあります。
歴史上にない新製品なのでこういう右往左往が起きてしまいます。
自然素材住宅=珪藻土というイメージが定着してしまいましたが、無垢の木や石などと違い歴史が圧倒的に浅いのです。
歴史が浅い商品を使うということはある意味実験的な建築になるため、
石橋を叩いてお客様の資産をつくろうとしている私たちの考え方にはちょっと方向が違うかなといったところです。
【漆喰について】
なごみの工房のブログより↓
日本の漆喰の歴史
http://nagominokoubou.jp/blog/2229/
日本の漆喰の歴史~続編~
http://nagominokoubou.jp/blog/2235/
日本の漆喰とスイス漆喰
http://nagominokoubou.jp/blog/2284/
スイス漆喰
http://nagominokoubou.jp/blog/2337/
なごみの工房は、外壁材にスイス漆喰を使っています。
~Build a house to steadily mind~
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ある雑誌では「漆喰がいい」…
とあるサイトでは「珪藻土の方が良い」…
家を建てる前に色々な情報収集をしている中で、塗り壁の中でも漆喰、珪藻土については多くの論争が繰り広げられています。
『漆喰』については、なごみの工房のブログで何度かアップしていますので、
今回は主に、珪藻土について徹底解説!
珪藻土についてよく理解していきましょう。
まずは双方のウィキペディアより
【珪藻土(けいそうど)】
(diatomite、diatomaceous earth)
藻類の一種である珪藻の殻の化石よりなる堆積物(堆積岩)である。
ダイアトマイトともいう。珪藻の殻は二酸化ケイ素(SiO2)でできており、珪藻土もこれを主成分とする。
珪藻が海や湖沼などで大量に増殖し死滅すると、その死骸は水底に沈殿する。
死骸の中の有機物の部分は徐々に分解されていき、最終的には二酸化ケイ素を主成分とする殻のみが残る。このようにしてできた珪藻の化石からなる岩石が珪藻土である。多くの場合、白亜紀以降の地層から産出される。
【漆喰(しっくい)】
瓦や石材の接着や目地の充填、壁の上塗りなどに使われる、水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とした建材である。
と、こういう情報が出てきますが、
これよりもさらにディープな建材としての珪藻土についてより詳しく(^^)↓↓↓
■珪藻土の概要
1993年大阪ガスが開発し調湿性を売りにどんどん市場が拡大し、
自然素材住宅=珪藻土となり自然素材住宅の代名詞的存在となる。
いわゆる珪藻土ブームともいえる中、当初代表的な存在は㈱サメジマコーポレーションが販売している「リターナルパウダー」や日本ケイソウ土建材㈱の「エコ・クイーン」などが当時ブームを牽引していました。
珪藻土は施工がとても簡単でした。
クロスの上からも塗れて、手間のかかる下地処理も必要としない。
また、ざらざらとした土の質感は、今までの左官はまっ平らに塗るものという概念ではなく、素材感がいきる塗り方が良い!という新たな概念を左官業界に持ち込みました。
左官屋さんからすると漆喰を施工するには修行期間や材料を作るノウハウが必要でしたが、珪藻土はただ水を混ぜて塗るだけ!下地もあまり選ばないのでどんな職人でも施工ができた。ということも珪藻土が全国的に拡大した一つの要因と言えます。
■珪藻土ブーム
高い調湿性や施工性によって珪藻土ブームが到来しました。
ブームと言われるのは、㈱サメジマコーポレーションの成功に続き簡単に作れるため、色々な珪藻土商品が乱立し、多いときは100種類以上の珪藻土が存在していました。値段も中身もピンキリといった感じで高いから良いというわけではないことも多々ありました。
■そんな珪藻土のメリット、デメリットは?
珪藻土のメリット
□下地を選ばず施工性が高い、DIYでも可能
□メンテナンスも自分でできる
□高い調湿性を持っている、ジメジメしない
□脱臭効果もある
□耐火性がある
□ざらざらとした質感がおしゃれ
□高気密高断熱住宅では珪藻土の効果がよく発揮される
珪藻土のデメリット
□表面がざらざらしており、表面がボロボロ落ちる
□バインダーによっては効果がなくなる
□吸水性がある、吸水によりカビが発生する可能性もある
□弱酸性でカビには弱い
□気密や断熱性能が低い建物ではカビる可能性がある
□別荘などあまり使わない建物ではカビる可能性がある
デメリットについては後程 解説しますが、珪藻土は「調湿」の一転突破でどんどん広がりを見せていきました。
■ブームから一転、珪藻土の疑惑
自然素材住宅=珪藻土というような構図が業界にカテゴリーとして確固たる地位ができ始めたころ、珪藻土に2つに疑惑が生まれます。
それは、発がん性と成分
【1発がん性】
珪藻土の成分中に発がん性物質に当たる結晶シリカが入っている。ということ。
こういった情報から海外では販売禁止になっているなど様々な情報がと飛び交いました。
確かに結晶シリカはWHO(世界保健機関)の発がん性物質のカテゴリーへ入っていますが、そのカテゴリーにはアルコールやたばこの煙なども含まれており、危険性としては珪藻土の粉が舞う空間で粉を吸いまくったらダメですよ。という程度のもの。
さらに調べると実は日本で一番珪藻土を使う会社はビール会社であり、ビールを造る過程で、ビール酵母と後発酵中につくられる混濁物質を取り除く、ろ過作業に珪藻土は使われています。珪藻土自体が問題ならばビールを飲むのも問題となります。また珪藻土は七輪にも使われますので珪藻土に問題があれば七輪での調理も問題となります。
海外の珪藻土発売禁止については、確かに欧州やアメリカの一部の州ではWHOに準ずる形で発売禁止になっているようです。
しかし元々「土」を仕上げとして塗る文化がない国が多いため、そもそも文化的に馴染みがなく広がらなかったとも言えます。
ですので、珪藻土を塗ったからと言ってガンになるなんてことはないというのが結論と言えます。
【2成分】
発がん性よりもむしろ成分の方が私たちは問題かなと思います。
珪藻土には自分で固まる力がないため、固めるための「バインダー」といわれる繋ぎが必要となります。
多くの珪藻土は施工性を高めクレーム防止とコストダウンを目的に「合成樹脂」を接着材として入れていました。
合成樹脂を入れてしまうと、調湿性が失われたり、例えば水と一緒にカビ菌を珪藻土が吸水してしまった場合、カビ菌のエサがあるので繁殖していきます。
つまりは、珪藻土でも合成樹脂を使ってしまうと台無しになってしまいます。
珪藻土に使う自然のバインダーは漆喰。
昨今ではだんだん珪藻土と漆喰の違いが曖昧になってきています。
珪藻土のデメリット「固まらない」や「カビに弱い」という点を払拭するために漆喰の成分である「消石灰」を混ぜ、高い調湿性を保ちながら、固まる能力とカビに対する能力を上げたハイブリット珪藻土。
こういう商品ならば、まだ安心して使えると言えます。
と、ここまで珪藻土について解説してきましたが、
私たちの考え方は「そもそもそこまでして珪藻土にする必要はある?」
ということです。
色々なメーカーが研究開発してきた珪藻土です。
発がん性物質疑惑の際は様々なメーカーが必死になりイメージの払拭を行い研究し、さらに品質を向上させてきました。
でもですね…
元をたどれば珪藻土はビールなどの「ろ過材」。
1993年に誕生と歴史も浅い。
そもそも「ろ過材」である珪藻土を建築の壁材へ研究開発する必要があったのか?
ということなのです。
発がん性!?海外では!?
「固まらない」→「ならば樹脂だ!」→「樹脂は性能落ちる」→「ならば消石灰だ!」
というのがわずか数十年で様々な移り変わりがあります。
歴史上にない新製品なのでこういう右往左往が起きてしまいます。
自然素材住宅=珪藻土というイメージが定着してしまいましたが、無垢の木や石などと違い歴史が圧倒的に浅いのです。
歴史が浅い商品を使うということはある意味実験的な建築になるため、
石橋を叩いてお客様の資産をつくろうとしている私たちの考え方にはちょっと方向が違うかなといったところです。
【漆喰について】
なごみの工房のブログより↓
日本の漆喰の歴史
http://nagominokoubou.jp/blog/2229/
日本の漆喰の歴史~続編~
http://nagominokoubou.jp/blog/2235/
日本の漆喰とスイス漆喰
http://nagominokoubou.jp/blog/2284/
スイス漆喰
http://nagominokoubou.jp/blog/2337/
なごみの工房は、外壁材にスイス漆喰を使っています。
~Build a house to steadily mind~
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定休日: 水曜日